大谷口の家2

(2008年10月竣工)

作品写真(撮影:GlassEyeInc. 海老原 一己)2008.11.06

埼玉県浦和市は、昔から窪地や沼が多く極端に地盤が軟弱な地域であるのは、以前この近くの場所に分離型のニ世帯住宅を設計したことでわかる。その時の基礎の設計にあたり、様々な地盤改良を検討した上でのその時の結論が「コロンブス工法」という掘削した土のかわりに発砲スチロールのような(ジオフォーム)ものを埋込んで地盤重量を軽減して、基礎を水に浮かべるような方法である。あまり一般的ではないこの工法や、大きなコンクリートの基礎梁を、工事着工から見学していた方が、その近所に住まれていた今回の住宅の施主である。
分譲区画で密集している地域に、道路側と奥側の2つの敷地と上屋を所有している親達と親と暮らすことを選んだ子供夫婦が、その敷地を有効に使うため現在の上屋を取り壊して、大きく一つの敷地にして、階層分離型の二世帯住宅に新築することを決めた上で、近くで見学していた住宅の設計者を指名してくれての設計依頼の運びとなった。
親世帯は「大きな広縁」と「作業のできる庭」のある1階で孫達と遊べる家。
子世帯は「板間」「キッチン座卓」「大きなテラス」のある2階で家族や友人が集える家。
2台分の駐車スペースを確保したポーチと庭を囲むようなL型のプランを基本にして全体を構成し、そこに広縁やテラスを配して大きな容積の室内空間をつくった。
この浦和の大谷口において何よりも嬉しかったのは、最初設計した施主親子二世帯と、今回設計した施主親子二世帯の計4組みの夫妻=家族同士に交流が生まれたことと、これからまたその施主の方々と関係が持てることである。建築家として建築の行為の上で、施主たちを結び付けることができたことを本当に嬉しく思う。

地上2階建て(木造)
延床面積:138.14m²(41.79坪)
建築面積:86.23m²(26.03坪)
敷地面積:143.75m²(43.48坪)
家族構成:親夫婦+子夫婦+子供1人