西日暮里の家

(2006年8月竣工)

作品写真(撮影:GlassEyeInc. 海老原 一己)2006.09.05

荒川区西日暮里のマンションが立ち並ぶ幹線道路の裏側になる敷地は、北側と西側に二面道路に接している角地(東西8M×南北10M)ではある。設計を始めるのに際して、以前から自分で課題にしていた機能的な最小空間面積の大きさについていろいろと考察した。自分の中では、日本間でいうところの4間角の空間が余白をもてる最小空間であるように思える上で、今回の条件の中で導き出す空間を、正方形(7M×7M)にするとともに、立体的に7M×7M×7Mの立方体空間をつくり、限られた都市環境の空への余白を求めて空間構成を行なうことにした。建物内部は三層になっており、1階は玄関、クロゼット、納戸、個室があり、2階のニ層吹き抜け空間のリビング・ダイニングルームへと階段でつながる。吹き抜け空間の中央部の3階部分には屋外テラスがブリッジのように貫いており、空からの光りを拡散させながら取り込んでいる。また2階部分の南北両面の壁巾7Mいっぱいのスリット状の窓が、外への水平としての視線をつくり落ち着きをもたらせている。もちろん、構造的には一部鉄骨を用いて具現化している。3階は浴室とテラスと和室が吹き抜けに面して開放感を与えている。全体として、互いに連続した内部空間のこの家は室内微気候においても完成されている。内部すべてにスウェーデン製の換気システムを採用して花粉症をシャットアウトできること、また暖房においても1階天井と2階の床の間に低温床暖房パネルを挟んで、1、2階両方同時に輻射暖房することで省エネ効率を上げることができた。都市環境と住環境を結び付ける様々な知恵をこの建物で実現できたことと施主である友人家族は楽しく暮らしていることが、何よりの建築家としての喜びである。

木造2階建て
延床面積:124.03m²(37.52坪)
建築面積:48.88m²(14.79坪)
家族構成:夫婦+子供3人