港南台の家

(2010年4月竣工)

今計画は、東西に長い敷地の中央南側に寄せた住空間と採光の取り方から新しい住空間の提案を試みた。その住空間の中でもメインであるパブリック部分(ここではKSDと呼ぶ)について主に視点をおいた。
まず、巾3.9m×奥行9.0m×天井高3.6mの筒状の空間に対し、東、西、中央部と3つの採光開口を設けた。東側開口は庭からの高さの光を、南側開口は中央の光の拡散する装置として、西側開口は全面開口としてテラスとの光の延長をつくり出せるようにと、直接光、反射光、乱反射光と様々な採光で暮らしの場が生まれてくるようにひとつひとつ考察をしながら決定していった。内部〜開口〜敷地の余白(庭やテラス)〜街並へと光の連鎖がそのまま意識や環境へと連なるように空間が存在できないかと、採光を主体としながら空間と環境の関係性を結びつけるようにした。3つの異なった採光開口から光の移ろいに合わせた暮らしの場の設定が生み出されてきたそれぞれのたまりK(キッチン)S(サロン)D(ダイニング)として配列された空間を生み出す事ができた。
また、構造としては家全体を一つの箱として考えているため床を150mm×300mm平梁と合板で架構して天井裏をつくらない=無駄な熱環境部分を設けないことを実践している。外壁は、左官+窯業板+空気層+防湿層+断熱材+防湿層+合板+空気層+合板+石膏板と11層とし、一般的な1層での気密=密閉層をつくらず。多層で空気の流れを遅らせることの重ね着の構造とした。熱環境をふまえて採光を五感として享受しながら暮らせる事の喜びをこの家はかたちにできた。

木造/地上2階建て
延床面積:104.16m²(31.50坪)
建築面積: 53.10m²(16.06坪)
家族構成:夫婦+子供1人