吉祥寺の家

(2005年12月竣工)

作品写真(撮影:GlassEyeInc. 海老原 一己)2006.01.13

施主からの要望は、北側道路を持つ南北に長い敷地のため東、西、南と隣家が接していても十分な日照が確保されることと、リタイヤされたご両親が、一日中家で過ごす上で、室内温熱環境が一定であるように考えてほしいというものであった。
そこで、1階に住まう親世帯の日照のある空間を導き出すために、敷地を取り囲む各隣家すべての建物の日影をPCで解析して敷地にプログラムし、その上で日照が確保できる南側の開口部の高さや、真夏の直射日光を防ぐ庇の出寸法(1.5M)を決定した。
解析により1階LDK空間は、南側に天井高さ(3.3M)、巾(7.5M)ともにすべて開口部とし、真冬において室内の奥壁まで日光が届き、明るく清潔感のある空間となった。
構造的には1階をボックスカルバートのコンクリート造として、その上の2階部分を木造の剛性梁が1Mピッチに門型にならぶ切り妻屋根(水平力の剛性としてはロフト床を一部壁に接続している。)の大架構を採用することで上下ともに広いワンボックスの空間があらわれた。
1階の天井においてはすべて熱容量のあるコンクリート打放し仕上げ面とすることで、蓄熱層としての機能を持たせて冷熱とも室内温度を保つようにした。
2階の南側LDK空間は1階の天井を上げた部分がそのままスキップフロアとして表れたワンルーム空間に若い世代の居住空間としてのおもしろさとなった。
またこの家でもっとも特徴的なのは、1、2階ともに大空間の中央にユニットバスを配したことで(窓からの外気やタイルなどの温度変化を懸念したため)、ラウンドできる動線により、寝室〜LDKの区分けを建具なしで明確できたことである。

木造2階建て
延床面積:158.50m²(47.94坪)
建築面積:80.50m²(24.35坪)
家族構成:両親+夫婦+子供1人